空手の帯の色は、流派や道場によって異なる。※本当は統一されるべきなのに…
空手の帯色の違いやその意味を知ることで、修行している自分の立ち位置や位置づけなどが具現化して見えて、理解することができる。
この記事では、寸止め空手の連盟の一つである日本空手協会、硬式空手道の国際組織の一つである世界硬式空手道連盟、極真空手の組織の一つである極真会館、沖縄空手の組織の一つである沖縄空手道協会、それぞれの連盟が定める級・段ごとの帯色の違いを一覧で紹介する。
帯の色や帯が持つ意味を知ることで、今後の修業のモチベーションにもつながり、向上心がさらに高まる。
目次
日本空手協会
無級~七級:白
六級:緑
五・四級:紫
三~一級:茶
初~十段:黒
世界硬式空手道連盟
無級・十・九級:白
八・七:黄
六・五級:橙
四・三:緑
二・一級:茶
初~五段:黒
六~八段:紅色
九・十段:紅
極真会館
入門時:白
十・九級:橙
八・七:青
六・五級:黄
四・三:緑
二・一級:茶
初段以上:黒
沖縄空手※沖縄空手道協会に基づく
無級:白
十級:黄
九・八級:橙
七・六級:水色
五・四級:群青
三級:緑
二・一級:えんじ
準初段:黒帯だが、帯の中心に横一本白色の線が入る
初~五段:黒
六段:黒帯。帯の両端に縦の金線1本ずつ入る。
七段:黒帯。帯の両端に縦の金線2本ずつ入る。
八段:黒帯。帯の両端に縦の金線3本ずつ入る。
九段:黒帯。帯の両端に縦の金線4本ずつ入る。
十段:黒帯。帯の両端に縦の金線5本ずつ入る。
帯の色の意味
帯の色は、「昇級するごとに色が濃くなる」という見解も聞いたことがある。
しかし、帯にも色の意味がある。※諸説あり
白:まだ何も会得していない、まっさらな状態。
黄:色はあるが、他の帯の色に比べて、一番白色に近い。「初心忘るべからず」の意味。
橙:太陽の色。自分のみならず、同期や先輩・師範らのやる気を駆り立てさせる。
青:水の色。入門してから先輩や師範らに多くのことを教わってきたが、それに盲目的に囚われて硬くなってはいけない。水のように柔らかな動きと心を持てという意味。
緑:木などの自然を表す色。心を落ち着かせて精神的な余裕が持てた証拠を意味する。
茶:土の色。空手道に通ずる者として、空手道の土台が形成され始めたことを意味する。
先輩や師範らに教わるだけでなく、「上達するための工夫を自問自答で見つける=土から芽を出させる」の意味も込められている。
黒:どんな色にも染まらない不屈の精神と技術が身に付いた意味。
紅:強さのみならず、業界に貢献した証。称号・勲章の意味合いが込められる。
帯の適切な長さ
昇級・昇段審査に合格して新たな色になったり新調する際、基本的には師範に身長やウエストを伝えれば、自分に適した長さの帯を業者に注文してくれるだろう。
ここでは、自分に合う帯の長さを決める目安を説明する。
長さの基準:ウエスト×2+110~120cm
引用元:守礼堂
(例)ウエスト80cmの場合:270~280cm→4号半が適切
帯の素材の違い
実は、帯には素材の種類が複数ある。長年使い続けると、色が擦れてきて黒帯なのに白色部分が目立つ「サテン生地」の帯があれば、使い続けても擦れない「コットン生地」もあるのだ。
それぞれの帯の素材の特徴を紹介していく。
並:葛城を使用した生地。他の素材に比べると、軽くて締めやすい。しかし、洗濯を重ねると色落ちし、青みがかかる。
朱子:サテン。表面に光沢のある生地。並よりもしっかりしているが、使い始めは締めてもほどけやすいが、じきに馴染む。長年の使用で中地の白色部分が見え始めて、人によっては「渋く」感じられる。
洋八:グログラン織を使用した生地。並より芯もあつくしっかりとした仕上がり。ほどけづらく、色落ちや擦れもない。
本絹:絹を使用した、帯の中でも最高級の生地。光沢があり、使用し始めでも締めやすい。
帯の値段
メーカーにもよるが、全体としては、正絹以外であればおおよそ3000~4000円程度。帯に名前や道場名などの刺繍を入れると、さらに300~500円程度加算される。
引用元:ヒロタ
おすすめのメーカー
もちろん筆者の個人的見解ではあるが、ヒロタ・守礼堂・東海堂かと。
老舗でもあり、世界大会に出場する選手も愛用している。
【東海堂】空手帯 並黒帯(綿) 3号/4号/5号(250cm/265cm/280cm) BLBK●帯幅:4cm■ネーム刺繍
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【東海堂】空手帯 黒帯 洋八帯(綿上)広巾肉厚タイプ 6号/7号(295cm/310cm) BLC-XW(BLCXW)●帯幅:4.5cm■幅広肉厚帯■ネーム刺繍
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帯の締め方
帯の締め方は、師範によって異なることがある。
基本的な締め方を紹介する。
- 帯の中央部分をヘソに当て、腹回りを一周させる。
- 一周させた際、帯の右端が左端よりも10cmほど長くさせる。
- 左手に持つ帯を下に、右手に持つ帯を上にして互いをヘソの前で交差させる
- 上になっている帯を道着と帯の間に通して、一度しっかり締める。
- 右側の帯を下に、左側の帯を上にして輪を作る。
- 下になっている右側の帯を、下から輪の中をくぐらせて締める。
- これで完成。完成時、右側の帯に自分の氏名、左側に道場名がくるようにする。
ちなみに、帯を締めてもすぐにほどける場合は、帯を締めた後に結び目を水で濡らすと帯が硬くなる。
道場をかえると、帯も変わるのか?
「黒帯をとったが訳あって道場をやめ、他の道場に入門する。この際、帯はどうなるのか」
という質問を聞くことがある。
確かに気になることだ。苦労してせっかく黒帯をとったのに、別の道場に入門したら白帯からやり直し、というパターンも見受けたことがある。
これは、道場や流派によって異なる。しかし、断言はできないが、基本的には以下の基準で考えていいだろう。
新たな入門先が同じ流派の場合
変わらない。元々初段であれば、新たな入門先でも初段でのスタートなる。
新たな入門先が異なる流派の場合
白帯からの再スタート。ただし、組織によっては、元々の級・段の継承を認めてくれるところもある。
入門してどのくらいで黒帯がとれるのか
※ここでは週2日の練習(1日2時間)と仮定
小学生から空手道の稽古を始めた場合、おそらく3~4年ほどはかかると考えられる。これは、いくら上手でも簡単には黒帯をとらせない組織の考えもあるからだ。
高校生以上で始めた場合、2~3年ほどであろう。学校の空手道部などで週5日も練習している際は、1年ほどでもとれることがある。(サイト管理人は入部から1年4カ月後に初段合格=黒帯獲得)
もちろん、稽古を長く積めば黒帯をとれるわけではない。稽古のなかで黒帯をとれるまでに値する技術や知識などを習得してのことだ。
ただし近年では、空手道普及のために以前より黒帯取得の難易度を下げている流派・組織が徐々に増えつつある現状もある。
小学生でも黒帯はとれるものなのか
結論からいえば、とれる。ただし、ほとんどの流派では、小学生以下の黒帯と中学生以上の黒帯を別物として位置付けている連盟がある。
たとえば、小学5年生で黒帯をとっても中学生になった途端白帯に戻るようなことがあるのだ。
他方、少年の黒帯とってから中学生・高校生となった際は、白帯からのスタートではなく、成人初段を受けられる資格がある状態とすることもできる流派・組織もある。
たしかに黒帯には誰もが憧れるだろう。ただし、黒帯獲得を目的として空手道を修業するのはおすすめしない。
自分が空手道を通じて武士道を学び、礼儀作法を身に付け、心身の鍛錬を目的にするのが一番自然な在り方といえる。
空手帯は洗濯するものなのか?
空手の帯は基本的に洗濯しない。むしろ、帯が汚れていたり色が白みがかったりすると、「たくさん修練してきた証」として見られる。
ただし、どうしても汚れが気になる場合は、洗ってもよいだろう。おすすめの手入れ方法は、消臭剤・除菌剤などをかけ天日干しにすることである。
まとめ
流派ごとの帯の違いよりも、まず帯の色の違いはあらかじめ知っておくことで、先輩や師範・後輩などへの見方が変わる。そして、帯の色の違いがあるからこそ、互いにリスペクトの気持ちを持てる。
昇級・昇段の際は、その帯色が意味する責任をしっかり持つことを忘れてはならない。責任や自覚を持たなければ、周囲の修行者に対しても失礼に値する。
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