【ついに決着か】格闘技の最強は1つだけではない!誰もが抱えた疑問を合理的考察 [Finally settled] The best martial arts is not just one! Rational consideration of everyone's questions

格闘技の稽古をしているまたは興味のある者が、「最強の格闘技は何か」を考えたことを一度はあるはずだ。
最強の格闘技を知ってそれを習得すれば、論理的にはどんな相手でも自身を守り相手を制することができる。

この記事では、最強の格闘技を論理的に考察し、ある1つの結論を出した。
最強の格闘技には不可欠な要素があり、あらゆる格闘技に長所短所があることを知ることができる。




実戦とは?状況を今一度整理

もし「最強の格闘技」を決めるなら、ある程度の決め事を確立させておかねばならない。
最強を決めるなら、試合のようなルールを除く必要がある。ルールがあるということは、「禁じ手」が認められないからだ。
禁じ手とは、安全性や公平性を確保するために設定された禁止事項である。禁じ手は、1発でも相手に当たれば、人を殺す恐れのある技のことだ。たとえば、金的や喉・目などへの攻撃、かみつきが、これに該当する。
ルールがあると、結局のところ「リーチが長く、身長が高く、体重が重い者」が有利と成り得てしまう。

本当の最強を決める場は、「実戦」だ。つまり、ストリートファイトの場である。
以下では、実戦の“決め事”は以下の通りとして、話を進める

  • 1対1の対戦
  • 武器の使用は禁止
  • 技に制限はなし
  • 実戦の場の環境は、障害物がなく気温20℃、湿度40%。地面はアスファルト。実戦場の広さは、横15m×奥行15mとする

主な格闘技の特徴

ここでは、特に有名な格闘技、また最強の格闘技として名高いものを取りあげる。そして、それぞれの格闘技が、最強になり得るかも説明していく。

空手

日本を代表する武道の一つでもあり、突き・蹴り・打ち技の打撃技主体の武道だ。
空手道には、大きく3つの流派がある。※諸説あり

  • 伝統空手(寸止め空手)
  • フルコンタクト空手
  • 防具付き空手

 

※空手の流派の詳細については、空手の流派を徹底分析|おすすめの流派はこれだ!を参照いただきたい。

組手の基本的なルールは、以下の通りだ。

■伝統空手
3分間の中で、ポイントが多かった選手の勝ち。もしくは、8点差をつけてポイント尾が高い選手の勝ち。

■フルコンタクト空手
ポイント制とノックアウト制を両方採用しているが、ノックアウトした選手の勝ちとするのが基本。ノックアウトで勝敗が決まらない場合は、審判による判定で勝敗を決める。

■防具付き空手
伝統空手のルールではライトコンタクトであるが、防具付き空手の場合はフルコンタクトで防具上に技を極めてポイントを獲得する。技の当たりが鋭く相手がノックアウトすれば、その時点で勝利となる。

 

よく「空手道のなかでは、極真空手が最強だ」と言い切るものがいるが、そうとは限らない。
※極真空手が最強とは限らない理由については、空手の流派を徹底分析|おすすめの流派はこれだ!(空手道最強の流派は?)を参照いただきたい。

 

空手道が、最強の格闘技かといわれると、疑問が残る。
その根拠は、投げ技や絞め技を練習しないことだ。
厳密にいうと、元々空手道は「武器を持った相手に対して、武器も持たず素手素足でどう護身するか」という目的をもった武道である。本来なら、空手道は相手の武器の有無や体格に限らず、護身できる武道である。しかし現実には、武器法や投げ・絞め技などを網羅的に稽古することはほとんどなくなっている。

 

ただし、最強の格闘技を作るに当たっては、空手の打撃技は必要といえる。
空手道の技は、ボクシングと違い、「一撃必殺」を目的として技だ。1発のみの打撃技で的確に相手の急所に極め、戦闘不能に追い込む技が空手道本来の技の特徴だからである。
また、空手道の打撃は、素手素足によって繰り出される。実戦では、グローブなどは付けられない。空手道の技は、普段から素手素足で巻き藁などの堅い木部に技を当て、手足を頑丈なものに鍛える。その鍛えられた拳や足で相手に当てるので、打撃の際に自分の手足を傷めるリスクが、他の格闘技よりも少ないのだ。

柔道

柔道は、投げ・絞めなどの柔術主体の武道で、空手と同じく日本を代表する武道である。オリンピックの正式種目でもある。
実戦において、柔道の技で相手をアスファルトに叩き付けるのは、もはや殺人技といえて強力だ。
本来は柔道も、投げる、抑える、絞めるのみならず、打つ・蹴るなどの打撃技も用いて相手を制する武術だ。しかし、現在の試合ではこのような打撃技を禁止としている。

 

柔道が最強の格闘技かについては、疑問に残る。現在では、打撃技の練習はほとんど行われていないからだ。
柔道の場合も、体重別で試合のカテゴリーを分けられる。つまり、自分よりも重い相手を投げ切ることは困難なのだ。
さらに、柔道のなかに寝技があるが、実戦では寝技の繰り出しは難しい。そもそも、アスファルトの上で寝技を仕掛けると、相手のみならず自分もアスファルト上に転がるので擦り傷を負う。
また、相手が複数人の場合(冒頭では1対1の想定、と述べたがこの部分だけ先述の想定を解除)、寝技を繰り出している最中に、別の者から襲撃されると身動きがとれずに、攻撃を受けてしまう。

合気道

関節技や絞め技・固め技・投げ技主体とし、体格に関係なく合理的に相手を制することができる武道。「小よく大を制する」の言葉を具現化した武術だ。
合気道も日本武道を代表する一つ。

合気道には試合がない。総合格闘技でも合気道にある関節技は、反則となる技もある。なぜなら、合気道で用いられる関節技は、致命傷と成り得る危険な技が多く含まれるからだ。
しかも、合気道では1対2で稽古を行うこともあり、武器を持った相手に対しての稽古も行う。

合気道が最強の格闘技とは言い切れないが、最強の格闘技を作り上げるのに、合気道の技は欠かせない。
体格に関係なく相手を戦闘不能にまで追い込む合理的な関節技を使う合気道は、実戦において有効で不可欠だ。

レスリング

※ここでは、オリンピックに採用されている「アマチュアレスリング」のこととする。

 

2人の競技者が素手で組み合い、相手を倒す・投げる・持ち上げるなどして、相手の両肩を床に1秒以上つけることを勝利の条件とする格闘技。打撃技、関節技、絞め技は禁止されている。
オリンピックの正式種目。日本人選手では吉田沙保里が有名だろう。女子レスリング個人で世界大会16連覇もした強者選手だ。

レスリングの歴史は他の格闘技に比べて古く、紀元前3000年には競技として存在したとされている。

 

レスリングが最強の格闘技については、これも疑問が残る。
まず、打撃技が禁止されているので、打撃技に対応する訓練を積む機会が少ない。レスリング技のタックルで相手の腰に目掛けて飛び込む際に、タイミング悪く相手から膝蹴りを極められることがある。
また、実戦ではアスファルト上での闘いとなるため、相手だけを地面に叩きつけられればよいが、自分もアスファルト上で転がりこむこともある。アスファルトで転がれば、柔道と同様に自分も傷を負うので危険だ。

ボクシング

ボクシングは、手技のみの打撃で相手の上半身を攻撃のターゲットとして、相手をノックアウトまたはテクニカルノックアウトをさせて勝敗を決める格闘技。ノックアウトで勝敗が決まらない場合は、審判による判定で勝敗を決する。3分間の12ラウンドという競技の時間の長さも特徴。
階級制があり、プロの男子の場合17階級もの体重別に選手を分ける。

 

発祥国は古代ギリシャ。紀元前4000年頃から古代エジプトで行われていた。ローマ時代では観客が喜ぶために、どちらかの選手が死ぬまで試合が終わらない競技ルールがあった。

 

ボクシングは最強の格闘技とはいえない。まず、足技が禁止されているからだ。手技しか訓練をしないので、足技に対するカウンターなどの攻撃技を磨く機会がない。

しかし、「最強の格闘技」を作り上げるのに、ボクシングのテクニックは必要だ。特に、ボクシングのフットワーク技術やフック・アッパーなどのカーブ系のパンチ技は、必須といえる。
まず、ボクシングのフットワークは、他の格闘技でもあまり見ない「軽やかな足捌きと前後左右へのステップ」が俊敏だ。


こちらの動画を観てもらえればわかるが、前後左右にトリッキーに動くステップは、ボクシングの特徴の1つでもある。膝と足首を柔らかくし、いつでも瞬間的に動けるようにステップを刻む。そして、飛び込む瞬間に膝カックンをされるような瞬間的な動きを利用して、一気に相手の懐に飛び込むのだ。

フックやアッパーなどのカーブ系パンチは、空手道ではあまり練習する機会がないので、最強の格闘技には必須。カーブ系のパンチは、視界の外からパンチがくる。そのため、パンチが来たと気づいたときには、すでに避けることができないほどパンチが接近しているのである。

以前、筆者が防具付き空手の試合でボクシング経験者の選手と闘ったことがある。その際、相手はアッパーやフックを放ってくる。普段の空手の技ではなかなか見ることが少ないカーブ系のパンチなので、避けるのがストレート系のパンチよりも難しく感じた。
それは私だけでなく、他の選手も同様だった。カーブ系のパンチに対応しきれない空手出身の選手は少なくない。

 

ムエタイ

「立ち技最強」として名高く、パンチやキックのみならず、膝蹴り・肘打ちをも認める、かなり危険度が高い徒手格闘技。発祥国はタイ。
現代のムエタイが競技化する前に、他国の侵略に備えるために形成された「古式ムエタイ」がある。これが、ムエタイの起源だ。
古式ムエタイはあまりに危険で、競技の際には死人も続出したため、一時は競技禁止にもなったことがある。
1970年代以降は、現代のムエタイが生まれ盛んになっていった。一方で、古式ムエタイは指導者が徐々にいなくなり、現在ではあまり行われていない。
しかし、タイのアクション映画俳優のトニー・ジャーが、2003年公開主演映画『マッハ!!!!!!!』で古式ムエタイを披露したことで、再び古式ムエタイが世界中で知られるようになった。

 

ムエタイはタイの国技で、度々賭けの対象にされる。そのため、八百長試合をすると、厳罰を与えられる。
ムエタイのなかでも特に大きな特徴は、首相撲状態からの膝蹴りだ。ムエタイの試合では、観客が期待するような打撃の打ち合いとなる場面は少なく、ほとんど膝蹴りの応酬となることが多い。

 

ムエタイは最強の格闘技を作り上げるのに必要だ。ムエタイは、膝蹴りや肘打ちの訓練を繰り返し、試合でも頻繁に繰り出される。
膝や肘は、人間の体の鉄だ。その威力は、通常の突きや蹴りよりも倍以上ある。

ただし、ムエタイそのものが最強かについては、疑問が残る。ムエタイには打撃技のみで、投げや関節技などは認められないからだ。最強に格闘技には、やはり関節技も不可欠である。

 

キックボクシング

ムエタイの競技ルールを元に、日本で形成された手技足技のみ認められ、ボクシングと同様にノックアウトを目的とする徒手格闘技。両選手ともノックアウトしなかった場合は、審判の判定により勝敗を決する。
日本のボクシングプロモーターの野口修氏が考案したとされ、人気格闘技大会のK‐1設立に影響を与えた格闘技でもある。

 

ムエタイと違い、首相撲の場面になるとレフェリーが積極的に止めに入るため、自然と打撃の応酬の場面になることが多い。そのため、立ち技格闘技の中でも、競技時には多彩な技を見かけられる。
キックボクシングが最強の格闘技かについては、ムエタイと同様の理由で断言はできない。

 

総合格闘技

打撃、投げ、固め技など、格闘技の中で最も技の制約が少なく、「なんでもあり」と呼ばれるルールを採用した格闘技。英語では、「Mixed Martial Arts」略してMMAと呼ばれる。

 

「世界最強・人類最強」の称号を決める大会も、総合格闘技の大会であることがほとんどだ。
禁止事項も、目潰し・金的攻撃・頭突きなど著しく危険で必然的に致命傷となり得る部位への攻撃くらいで、他の格闘技に比べて少ない。主催団体のよっては、肘打ちや相手の顔面への踏みつけを認める団体と認めない団体に分かれる。

団体は、アメリカの最大手UFC(Ultimate Fighting Championship)や日本発祥で国内でもブームとなったPRIDE、STRIKEFORCE、DREAM、DEEP、CAGE FORCE、RIZINなどが挙げられる。ただし、PRIDEはスポンサー企業の相次ぐ撤退により運営が困難となり、2007年に事実上の活動終了となった。DREAMもPRIDEに次ぐ団体として出てきたが、数年で撤退となった。
現在では、「世界最強を決める総合格闘技」としては、事実上UFCとなりつつある。

 

総合格闘技は、先述で述べた特徴から、最強の格闘技に近い位置づけといえる。実際、PRIDEのチャンピオンのエメリヤーエンコ・ヒョードル選手は、「人類最強の男」「60億分の1の男」という称号を手にしている。
ただし、総合格闘技はあくまで競技である。つまり、ルールがあるのだ。総合格闘技の選手は、禁じ手に対する対応を普段から磨くことが少ない。
実戦ではルールがない。軍隊格闘術を会得している者は、普段から金的や目潰しなどの格闘技の試合では禁止されている技も積極的に磨いている。人によっては、実際の戦地で相手を格闘術によって殺めている者もいるのだ。
軍隊格闘術を会得している者と総合格闘技で人類最強の称号を手にした者同士が実戦で闘えば、勝敗の行方は断言できないのだ。




 

ジークンドー(截拳道)

世界的カンフー映画俳優で武道家のブルース・リーが編み出した実戦格闘技。英語では、「Jeet kune do」。漢字読みでは「截拳道」。意味は、相手の攻撃(拳)を遮る・断つ(截)道。
ただし、ブルース本人は、ジークンドーが一個の格闘技としてカテゴライズされることに抵抗していた。元々ジークンドー構築時、ブルースは「敵を倒す」という武術の側面を表すとともに、「生きていく上で直面する障害を乗り越える方策・智恵」を構築することを目的としていた。
そのため厳密にいえば、ジークンドーは「特定の型を持たず限界を決めずに極め続ける」「格闘や人生においても、“自由”を目指し、自分自身を “自由に正直に表現” する」思想や哲学である。
※以下、実戦格闘技におけるジークンドーとして、述べていく。

 

ジークンドーは、ルールに縛られないファイティングスタイルが特徴で、東洋哲学や古代禅仏教・老荘思想が、ジークンドーの格闘技面における自由な思想に影響している。
そのため、ジークンドーにはいわゆる禁じ手がない。つまり、試合などの競技がない…というよりできないのだ。
「実戦は6秒以内で終わらさなければならない」というブルースの戦闘思想があり、いかに効率よく短時間で相手を制するかを重要としている。また、1対1のみならず、1対複数人や、対武器など、実戦であり得る様々なシチュエーションでも短時間で相手を制することも目標としている。

 

ジークンドーは、最強の格闘技として近い位置づけにある。ただし、実践的な鍛錬である試合が、ジークンドーにはない。
最強の格闘技を磨くには、普段から実践的な練習も取り入れなくてはならない。「いつ相手が攻撃を仕掛けるかわからない」という実践的な練習(試合など)を積まないと、実戦における“いつ攻撃してくるかわからない相手を見極める「実践の勘」”が養えない。

 

クラヴマガ

20世紀前半の戦時中にイスラエルで考案された軍隊格闘術。首を掴まれた場合、ナイフや銃を向けられた場合、腕や胸ぐらを掴まれた場合など、実生活で起こりうる状況で効率的に相手を制することを重視している。
人間の自然反応を生かし、極限まで無理なく無駄を省いたシンプルで合理的な技が特徴。合気道と同様に、相手の体格や体力に関係なく、相手を制することができる。
現在では、CIAやFBIなどの世界中の軍や警察にも採用されていて、一般市民にも無理なくできる護身術として広まっている。

 

金的や目潰し、喉元への打撃、髪を引っ張る、相手の関節を砕くなど、一撃で致命傷を与える攻撃を重視しているので、ジークンドーと同様に試合がない。
クラヴマガも最強の格闘技に近い位置づけではあるが、ジークンドーと同様に試合がないことで「実践の勘」を養うことが難しいことが弱点。

 

システマ

ロシア発祥の軍隊格闘術。クラヴマガと同様に、実生活の様々な状況を想定した実戦的格闘術であり、一般市民には護身術として広まりつつある。これも、試合がない。
元ロシア軍特殊部隊員ミハイル・リャブコ氏が構築し、現在ではロシアの特殊部隊でも採用されている。

 

徹底した脱力と柔らかい動作、相手から攻撃を受けても痛みを極限まで収縮させる呼吸法などが特徴。もちろん、ナイフや棒などの対武器の格闘術としての側面も持つ。

 

システマが最強の格闘技かについては、疑問が残る。
おそらく技術的に、一般市民には困難に感じることが多いとも思われる。特に、システマの技にはかなり練習しないとマスターしづらいものも少なくない。
その他の理由は、クラヴマガと同様だ。

 

サンボ

旧ソ連で開発された軍隊格闘術。徒手軍隊格闘術として採用された護身術のことをコンバットサンボやコマンドサンボとも呼ばれている。
サンボは競技としてもある。投げか関節技による一本か、一本にはならない投げや抑え込みでポイントを競う。打撃技は禁じられている。

 

サンボが最強の格闘技かについては、柔道と同じ論理で疑問が残る。

 

相撲

土俵の上で押し合いや投げ・張り手が認められている中で、相手を土俵の外に押し出すか相手の足の裏以外の部位を土俵に付けることで勝敗を決する格闘技。他の格闘技と違い、競技者(力士)の年齢・身長・体重別に分けない無差別での組み合いとなる。
古事記や日本書紀の記述によれば、700年頃から天覧勝負として相撲が行われていた。日本の国技であるが、近年ではモンゴルを初めとする外国人選手の活躍が目立つ。

 

 

相撲が最強の格闘技かについては、もちろん断言はできない。
ただし、他の格闘技にはなく相撲の優れた技術は、試合開始早々の突進だ。これは、ものすごい反射神経と相手の懐に飛び込む精神力が必要となる。
相撲で磨かれる反射神経や懐に恐れず飛び込む精神力は、最強の格闘技を作り上げるためには、不可欠といえる。

 

シラット

主に東南アジアで行われる武術。徒手格闘のみならず、武器による戦闘も用いられる。インドネシアでは、500を超える流派があり、技術も大きく異なる。試合では、空手のように形と組手がある。
ブルース・リーの弟子で、映画『死亡遊戯』にブルースの敵役として登場したダン・イノサント氏が習得した武術として有名である。

 

 

カリ(別名:エスクリマ)と混合されることが多いが、両者は厳密には異なる。
シラットは、インドネシアを中心に広がり、メインとなる格闘技は徒手格闘。
カリは、フィリピン発祥で国体の正式種目にもなっている格闘技で、スティックなどの武器術がメイン。
ただし、シラットも稽古のなかで武器も使い、カリも徒手格闘の稽古も行う。

組手の試合では、突きが1点、蹴りが2点、倒す(手、膝が床に付く)と3点というポイント制で競い、1ラウンド2分×3ラウンドで、ポイントの高い選手を勝ちとする。階級制も採用している。

 

シラットには、初心者向けの太極拳的な健康志向の体操的な動きのものもあれば、実戦を重視した護身術も存在する。欧米の軍隊や法機関でも採用されており、殺傷力を高めた「軍隊式シラット」もある。

 

最強の格闘技を作り上げる上で、シラットの技術は有効といえる。護身術のなかで、打撃技と関節技を合わせながら、大きなパワーを必要とせずとも相手を制することができるからだ。
クラヴマガと同様、ナイフなどの武器を持った相手に対しても、制することができる技もある。

 

永久の疑問?空手道vs柔道 (打撃vs投げ・寝技)

空手と柔道どちらも習得するのに越したことはないが、実戦で生き残るために最低限必要な方は、空手道といえる。

 

実戦で生き残るには、打撃技は不可欠だ。闘いが始まってすぐは、互いに距離があるため、距離が離れている状況からも何らかの攻撃を仕掛けることのできる技を持っていることが望ましい。打撃技は、威力が弱くても急所に当てさえすれば、それだけで致命傷を与えることができる。極端な例を挙げれば、小学生の子どもの突きや蹴りは、相手の急所に当たりさえすれば、相手が巨漢であろうとダメージを負わせることができるのだ。

 

投げ技は、相手に接近してからでないと技を仕掛けることができない。また、技のダメージを与えることができるのは、投げた相手を地面に叩きつける時である。すなわち、相手を投げ始めてから投げ終えるまでの間、時間がかかる。
しかも、先述の通り、体重が重い相手には投げ技を繰り出すことは困難だ。投げ技の場合、技を出せる相手が限られる

 

プロレス最強論の真偽

アントニオ猪木らが主張したもの。プロレスは「打・投・極」のあるバランスがとれたオールラウンドの格闘技であり、最も実戦的で弱点が極めて少ない最強の格闘技だとする内容。
事実、アントニオ猪木は空手などの選手らと異種格闘技戦を行い、ミュンヘンオリンピック柔道金メダリストのウィレム・ルスカに勝利をあげた。また、モハメド・アリと引き分けた異種格闘技戦は、大変有名である。

その後、アントニオ猪木や高田延彦以外にも、様々なプロレスラーが総合格闘技の大会に出場して話題を呼んだ。特に、桜庭和志は総合格闘家のホイラー、ホイス、ヘンゾ、ハイアン4人のグレイシー一族に勝利し、プロレスの強さの証明及び日本の総合格闘技の発展に貢献した。

 

 

プロレスが本当に最強かについては、疑問が残る。アントニオ猪木や桜庭和志は、元々彼らが総合格闘技に対応できる技術を個人的に磨いたものに思われる
そもそもプロレスは、ショーとしての側面が強く、競技者同士が互いの攻撃が来るのを分かった上で技を受け、それらのパフォーマンスで観客を盛り上げることに重視したものでもある。
「実践の勘」が必要である実戦としての磨きは、他の武道や格闘技ほど常に磨く機会があるとはいえない。

 

「実戦最強に近づく」なら軍隊格闘術

軍隊格闘術は、実際に殺し合いの場となっている戦地で、敵を制して生き残るために開発されたものだ。
戦地では、「負け=死ぬ」ということ。戦地にはルールがない。敵はどんな武器を使い、何人で襲ってくるのか分からない。そのため、どんな屈強な敵をも制して自身が生き残るには、技の全てが必然的にどれも効率よく無駄なく殺傷する技のみとなる。

 

 

ただし、組織にもよるが、一般に軍隊格闘術の稽古では、試合がない。つまり、いつ攻撃してくるかわからない相手を見極める「実践の勘」を養う機会が、他の武術よりも少ない。
軍隊格闘術の実践は、戦地だけだ。殺し合いを稽古にて練習するわけにはいかない。

そのため、軍隊格闘術の稽古をするには、実践の勘を養うために、安全具を付けて試合をすることも必要だ。
たとえば、

  • 目付きや金的、脛などの急所への攻撃はライトコンタクトにて、1発でも極めれば3点獲得。
  • 関節技を極めれば一本勝ち
  • それ以外の攻撃は1点。
  • 3~5分間行い、点数が高い選手の勝ち。

というような、なるべく実戦に近い想定のルールを作り、その上で試合をすると、「実践の勘」は養える。

 

必勝の法則

実戦では、自分よりも体がはるかに大きく手足が長く俊敏な者が出てくるかもしれない。しかし、そんな相手にも勝たなければならない。
では、どうすれば相手を制することができるのか。もちろん、日ごろの稽古で常に技を磨き体力を増強するなど、本来するべき努力はする前提で以下説明する。

 

  1.  急所への攻撃で相手をひるませる
  2. 関節・絞め技で相手を動かなくさせる

以上だ。
…「それだけか?」と感じる読者もいるかと思う。しかし、実戦では“6秒以内に相手を制する”必要がある。これは、先述のブルース・リーが創作したジークンドーの考え方だ。

勝負は一瞬で終わらさなければならない。この記事での冒頭に「実戦では1対1を想定」と述べたが、相手が複数人の場合は、1人の相手を制するのに時間がかかっていると、自分の体力が減り始め、他の相手に攻撃をくらう恐れがある。

1.急所への攻撃で相手をひるませる

まず相手と対峙した際、目・喉・みぞおち・金的・膝・脛・足の甲などのいずれかの急所に打撃を正確に極める。

 

相手と対峙する際は、ある程度相手と距離がある。間合いをとりながら、いきなり相手の腕や髪などを掴んで投げ・絞め技を仕掛けている最中に、相手のカウンターの突きや蹴り・噛みつきを食らう恐れがある。投げや絞め技は、実際の技の効果が発揮できるのに、仕掛け始めてから少なからず時間がかかるのだ。特に、相手が巨漢の場合は、投げ技を仕掛けるのは、相手が重すぎるため難しい。巨漢が胸ぐらを掴んできた場合も、掴んでいる腕に関節技を極めるのはかなりの力がいるので困難だ。女性では、太刀打ちできないだろう。

 

しかし、打撃の場合、弱い威力でも相手の急所に当たりさえすれば、それなりのダメージを与えることができる
たとえば、相手が胸ぐらや腕を掴んできた場合、いきなり関節技を極めるのではなく、まず相手の目や喉・金的に攻撃を極めることが先決だ。
後ろから首を絞められた場合も、相手のみぞおちか脇腹(レバー)に肘打ち、相手の目にフィンガージャブ、相手の膝か脛に踵で蹴る。
必ず打撃技を急所に2発程極めることが第一だ。

 

2.関節・絞め技で相手を動かなくさせる

打撃を極めて相手がひるんだ瞬間が、相手が「無防備な状態=隙」なのだ。その瞬間を見逃さず、すぐに関節・絞め技を極める。
急所への2発の攻撃だけでも相手は戦闘不能の状態になり得るが、やはり念には念をだ。相手を地面に、なるべくうつ伏せの状態にさせるようにねじ伏せ、相手が全く身動きできない状態にする。

 

たとえば、

  1. 目突きによって相手がひるんだら、相手の手首を両手で掴み、相手の手首を外側にひねる(合気道の小手返し)。そのまま相手をうつ伏せにさせるように手首を回し続ける。
  2. 金的を蹴って相手がひるんだ際、相手のアゴを掌底で上げ続けて、相手をひっくり返す。そして、相手の手首を持ったまま、うつ伏せにさせる。

以上の手順が、最も安全で正確な護身術兼実戦にて高確率で生き残れる方法といえる。

 

結局、最強の格闘技は?(まとめ)

「最強の格闘技はこれだ!」と断言はできない。最強の格闘技を断定できる唯一無二の格闘技なない。
ただ、最強の格闘技を形成するには、以下の要素が最低限必要だ。

  • ボクシングと伝統空手(寸止め空手)のフットワーク伝統空手とジークンドーの間合いの取り方
  • 相撲での「試合開始」と同時に相手の懐に跳びこむ反射神経
  • 防具付き空手道とムエタイの突き・蹴り技、肘打ち・膝蹴り
  • ボクシングやキックボクシング・ムエタイのカーブ系パンチ(アッパーやフック)
  • ジークンドーやクラヴマガを初めとする実戦武術・軍隊格闘術の「急所への徹底した攻撃を重視する戦闘理論」
  • 総合格闘技の「実践の勘」
  • 合気道やクラヴマガの関節・絞め技

 

実戦にて確実に護身でき、自分以外の者も守るためには、以上で述べたそれぞれの格闘技・武術の長所を兼ね合わせる必要がある。(もちろん上記の条件が全てではない。しかし、最強の格闘技たるものを形成するには、以上のような条件を含ませることが必須)

  1.  自分の主軸となる格闘技を決めて道場に入会して修行を積む
  2.  1をしつつ、他の格闘技の道場に赴き、体験しに行く
  3.  1以外の他の格闘技は、書籍の購入や動画視聴などで、独自で稽古する
  4.  1,2を経て、格闘技関係の知り合いを増やし、他の格闘技を修行する者と異種格闘技の交流を深めながら学ぶ

以上の段階を踏むのが、最強の格闘技を形成する確実な手順の1つである。





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