あなたは格闘技に興味があり、特にイスラエルアデサンヤ選手に注目しているのでしょう。
イスラエルアデサンヤ選手が強い理由は、体格だけではありません。彼は「スタイルベンダー」と呼ばれるほど、多彩かつ独特なファイトスタイルを持っています。そして、彼が戦う相手との距離感やリーチの長さをうまく活かして戦うことで、勝利を手にしています。
この記事では、イスラエルアデサンヤ選手のファイトスタイルや戦績について詳しく分析しています。
目次
イスラエルアデサンヤとは?
※画像引用:UFC
ニュージーランド国籍の男性総合格闘家、元キックボクサー、元プロボクサーです。2023年6月末時点でUFC世界ミドル級王者で、UFCパウンド・フォー・パウンド・ランキング5位です。
ナイジェリアのラゴス州ラゴス出身で、オークランド在住。シティ・キックボクシング所属です。「ザ・ラスト・スタイルベンダー」というニックネームでも知られています。
身長193cm・リーチ203cmという、ヘビー級にいてもおかしくない恵まれた体型です。
ニックネーム「ザ・ラストスタイルベンダー」の意味
彼の独特なファイトスタイルに由来しています。彼は、自分の身体を自在に動かし、相手の攻撃をかわせるため、まるで「スタイルを曲げる者」という意味が込められています。また、彼はアニメ「アバター 伝説の少年アン」のファンで、同作品に登場するキャラクター「アン」が使う能力「水気を曲げる者」という言葉からも着想を得たと本人が語っています。
来歴
イスラエル・アデサンヤは、1989年7月22日にナイジェリアのラゴスで生まれました。彼は、8歳の頃からテコンドーを始め、その後キックボクシングや総合格闘技に転向。アニメNARUTOや総合格闘家アンデウソンシウバなどの影響で格闘技を始めたとも語っています。
2011年にプロキックボクシングでデビュー。2014年にはプロボクシングデビューも果たしています。
2012年にプロ総合格闘家としてデビューし、11戦無敗のまま2018年2月にUFC初参戦となったUFC 221でロブ・ウィルキンソンと対戦。得意の打撃技術によるスタンドパンチ連打で2RTKO勝ちを収めました。
2019年2月のUFC234では、格闘家になる前から憧れだった元ミドル級王者アンデウソン・シウバと対戦。試合中漫画「NARUTO」で描写されるロック・リーのポーズを取るなどして試合を盛り上げ、3対0の判定勝ちを収めました。
2019年4月UFC236のミドル級暫定王座決定戦で、当時ミドル級ランキング4位のケルビンガステラムと対戦。両者一歩も譲らぬ打撃の応酬となりました。4ラウンドに左ハイキックを受けて追撃のパンチをもらいふらつく場面も見せました。しかし、5ラウンドにガステラムを3度ダウンさせ、3対0の判定勝ちを収めました。
2019年10月UFC243の世界ミドル級王座統一戦で、正規王者のロバートウィテカーと対戦。1ラウンド終了直前に右フックでダウンを奪うと、2ラウンドにスウェイ後に右フックと左フックのカウンターを2連続でヒットさせダウンを奪い、2撃のパウンドで KO勝利。ミドル級王座統一に成功しました。
なお、同大会では57,000人超にて、UFC史上最多観客動員数を記録。
2020年3月UFC248の世界ミドル級タイトルマッチにて、当時ランキング3位のヨエル・ロメロと対戦。ロメロも当時は無敗の選手であったため、無敗同士の対決となりました。アデサンヤにとっては初の防衛戦です。
試合全体を通して双方の攻撃手数が少ないものの、アデサンヤが的確にローキックをヒットさせ続けたこともあり、3対0の判定勝ち。初防衛に成功しました。
試合後アデサンヤは、「ロメロはジムで人形をスパーリングパートナーにして戦っていたのだろうと話しました。ロメロも「アデサンヤは走ってばっかり。あれはチャンピオンではない」と語りました。
2020年9月UFC253の世界ミドル級タイトルマッチにて、パウロコスタと対戦。
1ラウンド目から右ローキックと左ミドルキックを浴びせ、2ラウンド目にテンプルをかすめた左フックでダウンを奪い、パウンドでTKO勝ち。
この試合後、総合格闘家では初となるPUMAとスポンサー契約を結びました。
2021年3月UFC259の世界ライトヘビー級タイトルマッチにて、1階級上の世界ライトヘビー級王者ヤン・ブラホヴィッチと対戦。
3ラウンドまではスタンドで一進一退の打撃の攻防を繰り広げたものの、4~5ラウンド目にはテイクダウンをされ、0対3で判定負け。総合格闘技21戦目で総合格闘技初黒星となりました。
アレックス・ペレイラ
1ラウンド終了間際の右オーバーハンドと左フックでKO寸前に追い込むもゴングに邪魔をされました。
5ラウンド目、ペレイラの得意の左フックが顔面にヒット。追撃のパウンドを浴びて逆転KO負け。
戦績
総合格闘技:26戦中24勝2敗
16KO、KO率約61%です。UFCでは、ウェルター級時代の戦績は5戦3勝2敗でしたが、ミドル級に転向してからは8戦8勝と絶好調です12。最近では、前王者となる同級1位ロバート・ウィテカーの挑戦を受け、3-0(48-47×2、49-46)の判定勝利を収めました
キックボクシング:81戦中75勝6敗
28KO、KO率約34%です。キックボクシング時代には、GLORYでミドル級とライトヘビー級の2階級王者となりました2。UFCに転向してからは、現在UFCミドル級王者であり、UFCデビューから3連勝しています。
獲得タイトル
・UFCミドル級王座
・ボクシングSuper 8 IV クルーザー級トーナメント 優勝(2015年)
・GLORYミドル級コンテンダートーナメント 優勝(2016年)
ファイトスタイル
スタンドアップファイターとして知られています。彼は、キックボクシングやムエタイの技術を持っており、その技術を総合格闘技に応用しています。ずば抜けた動体視力・反射神経を活かして、攻撃をかわしてからのカウンターも得意です。
長い脚を生かした多彩な蹴り技も特徴的で、どんな距離でも的確に相手にハイ・ミドル・ローキックを浴びせることもできます。
立ち技メインの選手で、自らはあまりテイクダウンにはもっていきません。しかし、テイクダウンディフェンス率は83.3%※です。
※参考:UFC JAPAN
アニメ好き
漫画「NARUTO」ロックリーのポーズや、自身の腹部にはNARUTOの八卦封印のタトゥーを入れたりするほどのアニメ好き。入場時には漫画のデスノートをモチーフにしたパフォーマンスも行いました。格闘家引退後にはアニメ制作会社を立ち上げたいと語るほどです。
防具空手世界大会優勝者がイスラエルアデサンヤ分析
強さ・魅力は「リーチの長さ」と「距離感」
的確に当て変則的な打撃とそのバリエーション、反射神経、カウンターなど、魅力はたくさんあります。ただ、とくに筆者からみると「恵まれたリーチの長さ」と「距離感」はずば抜けてうまいと思います。
リーチが203cmという、UFC全階級を通してもトップクラスの長さ。そして、そのリーチを活かして、自分には相手の攻撃が当たりづらいまま、一方的に自分の打撃を浴びせられるのは、距離の保ち方がうまくないとできません。武道的にいえば「間合いの取り方」が天才的にうまいのです。
とくに、2019年10月6のUFC 243のロバートウィテカー戦では、ウィテカーの打撃のほとんどをギリギリでかわし、当たりそうになっても長い腕でいなしています。また、下がりながらもカウンター攻撃を確実に当てているのです。
妄想攻略:同じくらいのリーチがないとそもそも戦えないかも
個人的にはジョン・ジョーンズとの試合を観たかったですが、体重以外はジョンジョーンズとイスラエルアデサンヤは体型がほぼ同じ。イスラエルアデサンヤに勝ったことのある選手はヤン・ブラホヴィッチとアレックス・ペレイラがいるが、彼らも体重以外はイスラエルアデサンヤと体型がほぼ同じです。
最近RIZINで注目されているクレベル・コイケのような抜群の柔術スキルを持ったグラップラーなら、一本勝ちは無理でも判定勝利ならいけそうな気がします。
まとめ:イスラエルアデサンヤとは
この記事では、現役防具空手世界チャンピオンがイスラエルアデサンヤ選手について、彼のプロフィールや戦績、そして彼のファイトスタイルについて分析しました。彼は「スタイルベンダー」と呼ばれるほど、多彩かつ独特なファイトスタイルを持っており、勝利を手にするために相手との距離感やリーチの長さを巧みに活用しています。
もし格闘技をやっている人なら、彼のように自分の強みを活かして戦うことができれば、格闘技においても勝利を手にすることができるでしょう。